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第3次産業活動指数の「再編集系列」をご紹介します。第1回は「スポーツ関連産業」

今回は、第3次産業活動指数の「再編集系列」の1つである「スポーツ関連産業」をご紹介したいと思います。(再編集系列についてはこちらをご覧ください。)

「スポーツ関連産業」は、ゴルフ場やフィットネスクラブなどの自らプレーするためのスポーツ施設(スポーツ施設提供業)と、プロ野球やサッカーなどの観戦型スポーツ(プロスポーツ)とを1つにまとめた系列です。

1つ目のグラフをご覧ください。スポーツ関連産業は、東日本大震災のあった平成23年に大きく落ち込んでいますが、翌年以降、3年連続で上昇し震災前の水準に近づきました。

内訳の「プロスポーツ」と「スポーツ施設提供業」をみると、双方ともに震災時に落ち込み、その後持ち直していますが、よくみるとその動きには少々差があります。スポーツ施設提供業は震災の落ち込みが小さく、以前の水準への復帰も早かったのですが、プロスポーツは落ち込みが大きく3年かかって以前の水準に復帰となっています。健康増進などを利用目的とする「スポーツ施設提供業」に比べ、観て楽しむ「プロスポーツ」は、より娯楽性が強く、震災の様な大きなショックの影響を受けやすいのかもしれません。

次に「スポーツ施設提供業」と「プロスポーツ」をさらに細かくみてみましょう。2つ目のグラフをご覧ください。

スポーツ施設提供業では、ボウリング場やゴルフ練習場が低下傾向にある一方で、フィットネスクラブが好調です。フィットネスクラブはこれまで利用が少なかった中高年女性などにも利用層が広がっていると言われていますが、指数でみても長期的に上昇傾向にあります。

プロスポーツでは、プロ野球は観客動員数が圧倒的に大きく他のスポーツに比べて安定した推移となっています。他方で相撲は、平成23年に震災、不祥事などが重なり大きく落ち込みましたが、以降、若手力士の活躍などで人気が復活し、平成26年には震災前の水準を上回るまでになっています。また、ゴルフは、平成21~22年に当時デビュー間もない石川遼選手らの活躍で大変な盛り上がりをみせていましたが、その後は低下傾向にあります。

ゴルフの石川遼選手が活躍した平成21年といえば、リーマンショックで日本経済が大きく落ち込んだ年でした。1つ目のグラフをみると、第3次産業総合はリーマンショックの影響がハッキリと確認出来ますが、スポーツ関連産業にはこの影響はみられません。スポーツ産業の盛り上がりは、景気の好不調よりも、健康に対する意識の高まりや、多くの観客を呼び込めるスター選手の存在というのがとても重要ということかもしれません。

最終更新日:2015年11月20日
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