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紙おむつの生産上昇をもたらしたのは爆買いか?高齢化か?;鉱工業指数にみる「紙おむつ」の動向

赤ちゃんから大人まで、今や幅広く使われるようになった紙おむつ。そんな紙おむつが、昨年11月から、鉱工業指数の2015年基準で新たに品目として採用されました。紙おむつの生産動向が、国内製造業の動きに影響力を持つようになった結果です。ということで、今回は、「紙おむつ」の生産の動きとその要因についてご紹介したいと思います。

勢いのある上昇が続いた、紙おむつの生産

近年、高齢化等の社会構造の変化により、紙おむつの生産は、パルプ・紙・紙加工品工業全体や鉱工業全体を上回る勢いの伸びをみせています。

紙おむつの生産推移を乳幼児用と大人用に分けてみると、まず、乳幼児用紙おむつは、勢いのある上昇が続いていました。ただ、2017年第2四半期にピークに達した後は低下傾向が続き、直近の2019年第2四半期は4期ぶりの回復となりました。

一方、大人用紙おむつの推移をみると、小幅な低下はあるものの、右肩上がりの堅調な動きをみせています。

外国人にも人気の、乳幼児用紙おむつ

「爆買い」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、乳幼児用紙おむつの出荷指数のグラフを、訪日外国人買物代指数のグラフと重ね合わせてみると、両者の動きはかなり重なっています。日本製の紙おむつは海外でも人気で、2017年までの乳幼児用紙おむつの勢いには、外国人旅行者の爆買いの影響もあったように見受けられます。

日本の高齢化の中で堅調に伸びる、大人用紙おむつ

他方、堅調な推移をみせている大人用紙おむつですが、今度は少し視点を変えて日本の人口をみてみましょう。

65歳以上の方が人口に占める割合をみてみると、70年ほど以前の1950年は5%程度でしたが、その35年後の1985年には10%を越え、数字の確認できる2018年には28%と確実に増加しています。

併せて、平均寿命の推移をみてみると、こちらも男女ともに右肩上がりで推移し、約70年間で男性は約22年、女性は約24年それぞれ伸びています。

平均寿命も伸び、高い年齢の方が増えるということは、我が国での大人用紙おむつのニーズは着実に増えていくということでしょうか。2015年基準で新規採用品目となった紙おむつですが、今後の動きが気になるところです。

いかがでしょうか。鉱工業指数はこうした身近な品目も含め、日本の鉱工業を代表する品目の生産・出荷・在庫の動きをみながら、その活況度合いを推し量る指標として、日々活用されています。皆様もぜひ、ご活用ください。

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

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最終更新日:2019年8月5日
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