中国における日系非製造業現地法人の実像;2014年度海外事業活動基本調査結果に基づいて
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概要
中国との経済関係というと、「財の貿易」と「インバウンド」というイメージが強いのではないでしょうか。しかし、経済産業全体のサービス化の進展から、「サービスの国際取引」も重要になってきています。そこで、中国との「サービスの国際取引」に関し、今回は、最新の集計である2014年度実績を集計した「海外事業活動基本調査」のデータから、中国における非製造業の日系現地法人の状況を確認し、その特徴をまとめてみました。
その結果、以下の点を確認することができました。
- 中国に立地する日系非製造業現地法人は、2014年度末で約3600法人。売上高は約20兆円。2000年度に比べると、ほぼ3倍。
- 現地法人の多くが、卸売業に分類され、沿岸地域に分布している。構成比では、法人数の約6割、売上高の約85%が卸売業。
- 従業者数、売上高は、法人数に比べ、世界全体に占める構成比が小さく、1社当たりの規模もほぼ半分。
- 売上の販売先については、現地販売(国内向け)が3分の2を占め、その中でも地場企業向けが6割を占めるが、売上全体に対する比率では、4割を超えない。広義の日系向けと第三国向けの合計で、ほぼ半分。
- 仕入については現地調達が半数を占めるが、その中でも卸売業では日系企業からの仕入が多くなっており、広義の日系仕入れが5割を超える。
- 中国の非製造業の中心は、日系製造業の「販社」であり、そのため沿岸地域の海運交通の便の良い所に立地している。「出先」的性格が強く、出資、人員の面で日本色が濃く、設備投資や研究開発機能はあまりない。
- 2014年度には、卸売業の新設14法人に対し、解散・撤退が57法人となっており、非製造業全体でも100社以上の減少となっている。世界全体の日系非製造業の新設と解散・撤退は均衡していることと、大きな違いが見えている。
詳細な内容につきましては上記スライドショーを御覧いただくか、
こちらのダウンロード用ファイル(PDF版)を御覧下さい。