<クライメート・トランジション・ボンドに関するお知らせ>
- 日本政府は、世界初の政府によるトランジション・ボンドとして発行される「クライメート・トランジション・ボンド」について、「クライメート・トランジション・ボンド・フレームワーク」を策定しました。
- 我が国が推進するGX投資については、今後10年間で150兆円超の官民投資が必要とされており、これらの支援に必要な資金について20兆円規模の「脱炭素成長型経済構造移行債(GX経済移行債)」を発行していくこととなりました。
- GX経済移行債は、これまでの国債(建設国債・特例国債・復興債等)と同一の金融商品として統合発行することに限らず、国際標準への準拠について評価機関から認証(Second Party Opinion)を取得した「クライメート・トランジション・ボンド」を個別銘柄として発行します。
- クライメート・トランジション・ボンド・フレームワーク(日本語)(英語)
- Second Party Opinion (DNV)(JCR)
- クライメート・トランジション利付国債(財務省)
- (参考)我が国のグリーントランスフォーメーション政策(日本語)(英語)
新着情報
- 2024年7月16日:第10回トランジションファイナンス環境整備検討会を開催しました
- 2024年6月28日:2024年度トランジションファイナンス補助金の公募を開始しました(一般社団法人低炭素投資促進機構HP)
- 2024年3月1日:第9回トランジション・ファイナンス環境整備検討会を開催しました
- 2024年1月26日:R5補助金事業における第四回審査委員会での採択結果を公表しました(商船三井)
- 2023年11月30日:R5補助金事業における第三回審査委員会での採択結果を公表しました(中部電力)
- 2023年11月30日:R5補助金事業における第一回審査委員会での採択結果を公表しました(川崎重工)
- 2023年11月7日:クライメート・トランジション・ボンド・フレームワークを策定しました
- 2023年11月1日:R5補助金事業における第二回審査委員会での採択結果を公表しました(三菱マテリアル)
- 2023年10月2日:「ファイナンスド・エミッションの課題提起に向けた考え方について」を取りまとめました
- 2023年9月19日:第5回ファイナンスド・エミッションに関するサブワーキングを開催しました
- 2023年7月28日:第4回ファイナンスド・エミッションに関するサブワーキングを開催しました
- 2023年6月16日:トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンスを公表しました
- 2023年6月7日:第3回ファイナンスド・エミッションに関するサブワーキングを開催しました
- 2023年5月10日:2023年度トランジションファイナンス補助金の公募を開始しました(一般社団法人低炭素投資促進機構HP)
- 2023年3月30日:第2回ファイナンスド・エミッションに関するサブワーキングを開催しました
- 2023年3月30日:自動車分野のトランジション・ファイナンスに関する技術ロードマップを公表しました
- 2023年3月27日:2022年度のトランジション・ファイナンス市場概要及び補助金事業の特徴について取りまとめました
- 2023年3月27日:R4補助金事業における第六回審査委員会での採択結果を公表しました(北海道電力)
- 2023年3月24日:R4補助金事業における第六回審査委員会での採択結果を公表しました(三菱HCキャピタル)
- 2023年2月24日:第8回トランジション・ファイナンス環境整備検討会を開催しました
- 2023年3月20日:R4補助金事業における第六回審査委員会での採択結果を公表しました(川崎汽船)
- 2023年3月8日:R4補助金事業における第六回審査委員会での採択結果を公表しました(太平洋セメント)
- 2023年3月1日:R4補助金事業における第五回審査委員会での採択結果を公表しました(日本航空)
- 2023年2月28日:第10回トランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会を開催しました
- 2023年2月21日:第7回トランジション・ファイナンス環境整備検討会を開催しました
- 2023年2月21日:「ファイナンスド・エミッションに関する課題提起ペーパー」を取りまとめました
- 2023年2月1日:第1回ファイナンスド・エミッションに関するサブワーキングを開催しました
- 2022年12月26日:R4補助金事業における第四回審査委員会での採択結果を公表しました(キリンホールディングス)
- 2022年12月15日:第9回トランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会を開催しました
- 2022年12月13日:「産業のGXに向けた資金供給の在り方に関する研究会 施策パッケージ」を取りまとめました
- 2022年12月7日:第5回産業のGXに向けた資金供給の在り方に関する研究会を開催しました
- 2022年12月5日:第6回トランジション・ファイナンス環境整備検討会を開催しました
- 2022年11月24日:R4補助金事業における第三回審査委員会での採択結果を公表しました(東京ガス)
- 2022年11月21日:第4回産業のGXに向けた資金供給の在り方に関する研究会を開催しました
- 2022年10月28日:R4補助金事業における第一回審査委員会での採択結果を公表しました(北陸電力)
- 2022年10月27日:R4補助金事業における第二回審査委員会での採択結果を公表しました(東邦ガス)
- 2022年10月14日:第3回産業のGXに向けた資金供給の在り方に関する研究会を開催しました
- 2022年9月15日:第2回産業のGXに向けた資金供給の在り方に関する研究会を開催しました
- 2022年9月2日:R4補助金事業における指定外部評価機関の採択結果が公表されました(一般社団法人低炭素投資促進機構HP)
- 2022年9月1日:第5回トランジション・ファイナンス環境整備検討会を開催しました
- 2022年8月9日:第1回産業のGXに向けた資金供給の在り方に関する研究会を開催しました
- 2022年7月29日:2022年度トランジションファイナンス補助金の公募を開始しました(一般社団法人低炭素投資促進機構HP)
- 2022年3月28日:モデル事例を1件選定・公表しました(第9回モデル性審査委員会)
- 2022年3月24日:セメント、紙・パルプ分野のトランジション・ファイナンスに関するロードマップを公表しました
- 2022年3月22日:モデル事例を1件選定・公表しました(第12回モデル性審査委員会)
- 2022年3月18日:モデル事例を1件選定・公表しました(第11回モデル性審査委員会)
- 2022年3月11日:第8回トランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会を開催しました
- 2022年3月10日:モデル事例を1件選定・公表しました(第10回モデル性審査委員会)
- 2022年2月14日:モデル事例を2件選定・公表しました(第7回、第8回モデル性審査委員会)
- 2022年2月7日:第7回トランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会を開催しました
- 2022年2月7日:モデル事例を1件選定・公表しました(第6回モデル性審査委員会)
- 2022年2月4日:電力、ガス、石油分野のトランジション・ファイナンスに関するロードマップを公表しました
- 2021年12月10日:化学分野のトランジション・ファイナンスに関する技術ロードマップを公表しました
- 2021年11月4日:第4回トランジション・ファイナンス環境整備検討会を開催しました
- 2021年10月27日:鉄鋼分野のトランジション・ファイナンスに関する技術ロードマップを公表しました
1.トランジション・ファイナンスの概要
- 「脱炭素社会」は地球規模で目指すべき将来像であり、多額の資金供給(ファイナンス)が必要です。
- 我が国においても、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて、再エネ等の既に脱炭素の水準(グリーン)にある事業への取組に加えて、温室効果ガス(GHG)多排出産業を中心に省エネ・燃料転換等を含む着実な脱炭素化に向けた移行(トランジション)への取組に対するファイナンスが重要となります。技術面及びコスト面の双方において、すべての国・地域や産業が一足飛びに脱炭素化が可能なわけではなく、トランジション段階にある技術を導入することで最大限排出削減を進める必要があるからです。
- トランジション・ファイナンスとは、脱炭素社会の実現に向けて長期的な戦略に則り、着実なGHG削減の取組を行う企業に対し、その取組を支援することを目的とした新しいファイナンス手法です。
2.クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針
(1)基本指針の位置づけ
(2)基本指針の概要
- ICMAと同様に4要素(戦略とガバナンス、マテリアリティ、科学的根拠、透明性)について、開示に関する論点、開示事項や補足、第三者レビューに関する事項についてまとめています。
- 基本指針において、トランジション・ファイナンスは、資金充当の対象のみに着目するのではなく、脱炭素に向けた企業の「トランジション戦略」やその戦略を実践する信頼性・透明性を総合的に判断するものとしています。
- また、トランジション戦略は、科学的根拠に基づいたものであるかを示す必要があり、国際的に認知されたIEA等のシナリオに加え、本指針ではパリ協定と整合的な各国のNDC、分野別ロードマップ等の参照も可能としています。
(3)トランジション・ファイナンスの位置づけ
- 基本指針において、トランジション・ファイナンスの位置付けを下図のように表わしています。
- 調達した資金の充当対象は幅広く読めますが、トランジション・ファイナンスは、資金調達者がパリ協定と整合した長期目標を実現するための戦略を明確に求められるという点において、より将来に対して野心的な取組を担保する主体へのファイナンスと言えます。
- そのため、トランジション・ファイナンスをグリーンボンド等と同様に、脱炭素社会の実現に向けて極めて重要な手段として位置付けています。
- クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針 (日本語) (英語版)
- (概要)クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針 (日本語) (英語)
- ICMA ハンドブック(2023年6月) (英語)(和訳)
3.トランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ
- 経済産業省では、GHG多排出産業の2050年カーボンニュートラル実現に向けた具体的な移行の方向性を示すため、ロードマップの策定を行っています。
- ロードマップは、企業がトランジション・ファイナンスを活用した気候変動対策を検討するにあたり、本ロードマップを参照することを想定しています。
- また、金融機関等においては、企業が資金調達を行う際に、脱炭素に向けた企業の戦略・取組がトランジション・ファイナンスとして適格かどうかを判断する際の一助になると考えています。
(1)経済産業分野
鉄鋼分野 | 日本語 | English |
---|---|---|
化学分野 | 日本語 | English |
電力分野 | 日本語 | English |
ガス分野 | 日本語 | English |
石油分野 | 日本語 | English |
紙・パルプ分野 | 日本語 | English |
セメント分野 | 日本語 | English |
自動車分野 | 日本語 | English |
(2)その他の分野
他の産業分野においても、脱炭素化に向けた技術、方向性を示しているロードマップ等があり、トランジション・ファイナンスに活用できます。
- 国際海運分野/国際海運のゼロエミッションに向けたロードマップ(国土交通省) (改定検討中)
- 内航海運分野/「内航カーボンニュートラル推進に向けた検討会」とりまとめ概要(国土交通省)
- 航空分野/航空の脱炭素化推進に係る工程表(国土交通省)
4.トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンス
(1)フォローアップガイダンスの位置づけ
(2)フォローアップガイダンスの概要
- 排出削減困難なセクターによるトランジションの取組とは、その時点で最適な状況判断のもとでカーボンニュートラルという野心的な目標に向かってトランジション技術等に対して投資を続けることであり、動的に捉えることが必要です。
- 資金供給者と資金調達者が対立構造にあるのではなく、双方の信頼関係を醸成し、脱炭素化に向けた次の適切な資金調達につなげていくため、金融機関がどのような視点でトランジション・ファイナンスにかかるフォローアップをするべきかという点についてまとめています。
- 読み手としては幅広い資金供給者が想定読者になりますが、特に債券投資家に発行体との対話の重要性・必要性を訴求しています。対話の準備の仕方やポイントを網羅し、対話のタイミングややり方についても包括的かつ実践的な内容を記載しています。
- フォローアップの際に留意する重要なポイントとして、業界特性をあげており、特に、フォローアップする対象企業や個別業界だけでなく、関連業界全体を俯瞰的に理解する必要性に言及している他、分野別技術ロードマップについても、ポイントを要約して付録しています。
- トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンス~資金調達者とのより良い対話に向けて~
- (概要) トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンス~資金調達者とのより良い対話に向けて~
5.ファイナンスド・エミッションの課題解決に向けた考え方
(1)背景・経緯
(2)概要
- 本文書では、カーボンニュートラル達成に向けた金融機関に期待される役割とファイナンスド・エミッションの特性について整理した上で、脱炭素に向けたイノベーションやHard-to-abate産業のトランジションに向けた資金供給が適切に評価され促進されるよう、ファイナンスド・エミッションの課題に対するソリューション案を(1)ファイナンスド・エミッションの算定・開示手法、(2)ファイナンスド・エミッション以外の指標の開示手法の2つに分類して整理、提示しています。
6.トランジション・ファイナンスモデル事業・補助金事業
(1)概要
- 経済産業省では、トランジション・ファイナンスを普及させるため、基本指針に整合し、モデル性を有するファイナンス事例について、情報発信、第三者評価費用の負担軽減を行う事業を実施しました。詳細は下記の募集要領等をご参照ください。
- 2022年度以降は補助金事業として、モデル事業と同様に第三者評価費用の負担軽減を行う事業を実施しています。本補助金の執行は一般社団法人低炭素投資促進機構へ委託しており、公募要領等については一般社団法人低炭素投資促進機構のHPをご参照下さい。
- 尚、他者のトランジションに資金供給する金融機関(Enabler)がトランジション・ファイナンスにより資金調達する場合の補助金事業における考え方については以下資料をご参照下さい。
- 一般社団法人低炭素投資促進機構/補助金公募HP(令和5年度温暖化対策促進事業費補助金)
- 補助金事業におけるEnablerによるトランジション・ファイナンス調達の考え方について
(2)モデル事例
第三者委員会(モデル性審査委員会)にてモデル事例として、選定された案件は下記の通りです。
1.日本郵船 | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
---|---|---|---|---|
2.商船三井 | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
3.川崎汽船 | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
4.JFEホールディングス | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
5.日本航空 | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
6.住友化学 | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
7.東京ガス | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
8.JERA | 概要 | Overview | 第三者評価 第三者評価 |
Second Party Opinion Second Party Opinion |
9.IHI | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
10.大阪ガス | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
11.三菱重工業 | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
12.出光興産 | 概要 | Overview | 第三者評価 | Second Party Opinion |
(3)補助金事業
指定審査委員会が評価を行い、採択された個別案件の概要は下記の通りです。
第一回審査委員会(2022年8月開催) | 北陸電力 | 概要 | 第三者評価 |
---|---|---|---|
第二回審査委員会(2022年9月開催) | 東邦ガス | 概要 | 第三者評価 |
第三回審査委員会(2022年10月開催) | 東京ガス | 概要 | 第三者評価 |
第四回審査委員会(2022年11月開催) | キリンホールディングス | 概要 | 第三者評価 |
第五回審査委員会(2022年12月開催) | 日本航空 | 概要 | 第三者評価 |
第六回審査委員会(2023年2月開催) | 太平洋セメント | 概要 | 第三者評価 |
川崎汽船 | 概要 | 第三者評価 | |
三菱HCキャピタル | 概要 | 第三者評価 適合書簡(LOC) |
|
北海道電力 | 概要 | 第三者評価 |
第一回審査委員会(2023年8月開催) | 川崎重工 | 概要 | 第三者評価 |
---|---|---|---|
第二回審査委員会(2023年9月開催) | 三菱マテリアル | 概要 | 第三者評価 |
第三回審査委員会(2023年10月開催) | 中部電力 | 概要 | 第三者評価 |
第四回審査委員会(2023年11月開催) | 商船三井 | 概要 | 第三者評価 |
第五回審査委員会(2023年12月開催) | JFEホールディングス | 準備中 | 第三者評価 |
マツダ | 準備中 | 第三者評価 | |
第六回審査委員会(2024年2月開催) | 関西電力 | 準備中 | 第三者評価 |
7.トランジション推進のための金融支援制度
トランジション・ファイナンスの促進を目的として、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律に基づき、成果連動型の利子補給制度を設置しました。詳細は下記をご覧ください。
8.研究会等における検討状況
トランジション・ファイナンスに関する研究会等における検討の状況は下記をご覧ください。
- 産業のGXに向けた資金供給の在り方に関する研究会(GXファイナンス研究会)
- 環境イノベーションに向けたファイナンスのあり方研究会
- トランジション・ファイナンス環境整備検討会
- 官民でトランジション・ファイナンスを推進するためのファイナンスド・エミッションに関するサブワーキング
- 経済産業分野におけるトランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会
- クライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業にかかるモデル性審査委員会
(関連リンク)
お問合せ先
経済産業省 GXグループ 環境金融室
住所:東京都千代田区霞が関1-3-1
電話:03-3501-1770
メール:bzl-transition-finance@meti.go.jp
担当:遠藤・秋田
最終更新日:2024年9月13日