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日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する(その6);ゲーム会社が取り組んでいるのは海外直接市場の獲得と技術向上。アニメ会社が取り組んでいるのは2次利用市場への進出。 2017年7月27日

情報通信業基本調査(注)等のデータから、日本の2大コンテンツであるゲーム制作企業(以下、ゲーム会社)とアニメの制作企業(以下、アニメ会社)の実像に迫る記事を連載しています。

前回はコンテンツの権利保有の状況に、どのような違いがあるのかみてみましたが(日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する(その5);同じコンテンツビジネスでも、権利保有の状況がアニメとゲームで大きく異なる。ゲーム会社はコンテンツの権利の100%近くを確保、アニメ会社は作品の権利を半分も保持していない。)、ここでは、事業展開についての構想の差と産業の構造の違いについて検討してみようと思います。

ゲーム会社が最も関心を持っているのは海外直接市場の獲得、更なる技術向上を事業課題と認識か

情報通信業基本調査では、ゲーム会社とアニメ会社の今後の事業展開について、各社がどのような構想を持っているかということも調査をしています。ゲーム会社とアニメ会社では回答の選択肢が異なるため、直接比較はできませんが、両者の今後の事業構想を見てみます。

ゲーム会社では、「海外への事業展開」について、既に行っており現状を維持するか、今後拡大させるか、または今後新規に行う予定があるという先が回答の8割近くに及んでおり、海外という直接市場の拡大への関心が高いことがわかります。また、外部委託においても、海外、特に海外関係会社への委託率が増加していることから、「海外への外部委託」への関心が高いという結果も納得できるかと思います(日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する(その4))

その次に関心が高いのは、大学という社会資源を利用した技術向上です。海外委託には、高いゲーム制作技術の獲得という目的もあると考えられ、技術の獲得を事業展開上の課題と認識している様子が窺えます。

ゲームは直接市場が大きく、現状では二次利用市場はそれ程大きくありませんが、ゲーム会社が二次利用の権利保有を進めていることから推察するに(日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する(その5))、実は二次利用という事業展開への関心も高いか(本調査ではゲーム会社に対しては2次利用に関する選択肢を設けていないのでこの調査項目からはわかりません)、あるいは、今後高まっていくことが予想されます。

アニメ会社が関心を持っているのは二次利用市場への進出、しかし権利の確保が課題

アニメ会社について特徴的なのは、「映画制作」、「ゲーム、パチンコ、カラオケなどとの連携」、「グッズなどの商品化」といった、二次創作にかかわる事業展開への関心の高さです。もちろん、「テレビ番組制作」や「CM制作、広告制作」といった、映像を制作する経営資源をマルチに活用することへの関心も高いのですが、アニメは作品制作の直接市場よりも、アニメ作品が二次利用された各種エンターテインメントの広義の市場が大きいことから(日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する(その1))、そこに進出することを、事業展開上の課題として認識している様子が窺えます。

ただ、そのために必要となる二次利用の権利の確保は、必ずしも順調にいっていない様子です(日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する(その5))

このように、ゲームとアニメでは、同じコンテンツビジネスとは言っても、市場構造や産業構造などに当然のごとく違いがあり、それが事業展開構想上の違いとなって表れていいます。

以上、6回に渡って、ミニ経済分析「日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する」に即して、ゲーム会社とアニメ会社の様々な側面ごとに比較してみました。情報通信業基本調査のような統計データを用いると、意外と様々なことが分かることをご理解いただけたのではないかと思います。

(注)ゲーム会社とアニメ会社については、当該事業に属する事業所を有する企業のうち、資本金額又は出資金額3,000 万円以上の企業を調査対象としています。

ミニ経済分析「日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する」のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20170727minikeizai.html

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : qqcebc@meti.go.jpメールリンク

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