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29年第3四半期の訪日外国人消費は、主要費目である買物代、宿泊料金、飲食費を含め、全ての費目で上昇。この上昇はアジアからのお客様による宿泊及び飲食分野での消費行動の拡大によるもの。 2018年1月29日

訪日外国人の消費金額を、消費者物価指数を用いて実質指数化し、訪日外国人の国内での旅行消費の動向を指標化した「訪日外国人消費指数(TCI)」について、平成29年第3四半期の費目別の動きについて紹介します。

買物代、宿泊料金、飲食費は安定した上昇推移

下のグラフは、宿泊料金や飲食費といった消費費目別の指数の推移を折線グラフにしたものです。29年第3四半期は、宿泊料金、飲食費、交通費、娯楽サービス費、買物代、その他 の6系列全てが上昇となりました。

なかでも、最も高い数値をたたき出した買物代は、指数値504.0と500台に突入し、過去最高の指数値となりました。指数値500というのは、訪日外国人による買物代消費が基準年である平成22年の5倍にまで拡大したということになります。

また、飲食費や宿泊料金も、29年に入ってから安定的に上昇しており、第3四半期には、その上昇角度が更に上向いた感があります。娯楽サービス費に関しても、29年第2四半期にはマイナスとなっていましたが、今期は再び上昇に転じています。

第3四半期は、宿泊料金と飲食費が訪日外国人消費上昇のけん引役

29年第3四半期の訪日外国人消費指数全体の前期比の変動に対する費目別の寄与度をみてみます。当期は、内訳費目別の宿泊料金、飲食費、交通費、娯楽サービス費、買物代、その他 の6系列全てが上昇寄与となりました。

特徴的なのは、宿泊料金指数と飲食費指数の上昇寄与の大きさです。

宿泊料金指数は、29年に入ってからその上昇寄与が大きくなり、第3四半期をみると、訪日外国人消費全体の前期比10.9%上昇に対し、宿泊料金の寄与が4.29%ポイントと約4割を占めています。第1、第2四半期では、飲食費指数の寄与は小さめで推移していましたが、第3四半期は飲食費の寄与は4.12%ポイントと、こちらも全体の伸びの約4割を占めるほどにその影響度合いを増しました。

また、耳目の集まる買物代です。第1、第2四半期とも上昇はしていたものの、その寄与は飲食費を下回り、ごく僅かとなっていた買物代指数ですが、第3四半期になって、若干ですが、上昇寄与に占める割合が戻って来ています。

第3四半期の訪日外国人消費指数全体の上昇には、宿泊料金と飲食費の上昇が大きく影響したということがわかりました。

アジアのお客様は全ての費目で上昇、一方、欧米のお客様は主要費目で低下

さて、「アジア」と「欧米」からのお客様の消費支出は、どのような違いをみせたでしょうか。

29年第3四半期のアジアと欧米それぞれの訪日外国人消費指数の前期比の変動に対する費目別の寄与度をみてみます。

まず、アジアからのお客様ですが、29年第3四半期は、訪日外国人全体同様、全ての内訳費目が前期比上昇となりました。最も上昇寄与が大きかったのは飲食費で、アジア全体の前期比13.3%上昇に対し、飲食費の上昇寄与は5.65%ポイントと、約4割を占めました。第2四半期では、アジア全体の2.2%上昇に対し、その飲食費の寄与は0.02%ポイントと僅かでしたが、当期は急拡大をみせています。

次いで上昇寄与が大きかったのは宿泊料金で、その上昇寄与は4.77%ポイントと、こちらも3割以上の寄与となりました。宿泊料金の上昇寄与は、29年に入ってから安定的に推移しています。また、買物代の上昇寄与の復調も、当期の特徴の一つといえそうです。

代わって、欧米からのお客様についてみると、第3四半期の費目別指数は、「その他」以外の5費目で前期比低下となりました。欧米指数は、28年第4四半期から3期連続の上昇をみせ、内訳の費目もおおむね好調に推移していましたが、この第3四半期では、一転してマイナスに転じました。

欧米全体の前期比マイナス3.6%低下に対し、最もマイナスに寄与したのは宿泊料金で、マイナス2.87%ポイントと大きな低下寄与となりました。第2四半期は、欧米全体の9.2%上昇に対し、宿泊料金の寄与は5.95%ポイントと上昇寄与の約5割を占めていましたが、当期は大きなマイナス方向への影響をみせました。

29年第3四半期の訪日外国人消費全体は、全ての内訳費目で前期比上昇となりましたが、この上昇は、アジアからのお客様の宿泊及び飲食分野での消費行動の拡大による影響が大きかったということがわかりました。

費目別のより詳細な動きについては、経済解析室ニュースで「買物代指数」 「宿泊料金指数」 「飲食費指数」 について、順次説明していますので、こちらもご参照ください。

ミニ経済分析「2017年第3四半期の訪日外国人消費指数の動きと上位5カ国・地域からの訪日客の消費動向」のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180126minikeizai.html

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