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2017年Ⅳ期(10~12月期)のグローバル出荷は、前期比0.7%上昇と7期連続上昇。海外現地法人の活動は前期比マイナスで、国内生産が旺盛。業種的には、はん用・生産用・業務用機械工業が主役。 2018年5月7日

グローバル出荷指数とは、製造業の海外現地法人の出荷量と国内生産拠点からの出荷量を合算して、日本の製造業のグローバルな活動を指標化したものです。この指標により、海外生産と国内生産の動きを同じ土台の上で比較できます。

このニュースでは、更新された2017年10~12月期(Ⅳ期)のグローバル出荷指数全体の動きを説明していきます。

グローバル出荷は、リーマンショック前のレベルが視野に入ってきた

2017年Ⅳ期のグローバル出荷指数(季節調整済)は、指数値110.3、前期比0.7%と7期連続の前期比上昇でした。前期比上昇が続いており、この指数値110.3は、2008年第Ⅲ期の110.0を超え、同年第Ⅱ期の112.9に次ぐレベルです。

リーマンショック以降大きく低下していたグローバル出荷指数ですが、当期は、リーマンショック後の最高値をまたも更新し、同ショック前の歴史的にみて高かった水準に、「あと一歩」というレベルにまで回復してきている状況です。

勿論、2006年Ⅳ期から、リーマンショックまでの期間は、110を超える時期も続いていましたので、まだ少し低いレベルではありますが、そのレベルが視野に入ってきました。

海外出荷は、前期比マイナス

グローバル出荷の内訳をみると、日本企業の海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数(季節調整済)は、指数値139.3、前期比マイナス0.2%と2期ぶりの前期比低下となりました。前期第Ⅲ期は、歴代最高値を更新していましたが、Ⅳ期はわずかですが前期比低下となりました。とはいえ、Ⅲ期に到達した139台という歴代最高水準の指数レベルを維持しています。水準感の目安となる前年同期比は4.8%上昇と引き続き、前年水準を上回っていますので、水準的には高いレベルを維持しています。

他方、日本国内の生産拠点からの出荷である国内出荷指数(季節調整済)は指数値101.1、前期比1.1%上昇と2期ぶりの上昇となりました。2017年末の鉱工業の国内出荷には勢いがありました。

グローバル出荷指数の前期比0.7%上昇に対し、海外出荷指数はマイナス0.1%ポイントの低下寄与で、国内出荷指数は0.8ポイントの上昇寄与でした。第Ⅲ期は海外出荷の上昇寄与が大きかったのですが、ここ1年ほどは国内出荷がグローバル出荷のけん引役となっており、2017年Ⅳ期もその傾向で推移したことになります。

はん用・生産用・業務用機械工業がけん引役

グローバル出荷指数の主要業種別の動きを見ると、はん用・生産用・業務用機械工業(指数値129.5)が前期比4.6%と大きく上昇しています。化学工業(指数値108.3)が前期比0.7%上昇、輸送機械工業(指数値123.9)が前期比0.5%上昇となりました。電気機械工業(指数値99.3)は前期比横ばいです。

これら4業種以外を合計した「それ以外の業種計」が前期比マイナス0.2%低下と、グローバル出荷の伸びを抑えました。

概ね順調な推移だったということかも知れませんが、やはり、はん用・生産用・業務用機械工業のグローバル出荷が大きく伸びたグラフの動きに目が行きます。

グローバル出荷の伸びに対する影響度、寄与を見ると、やはり大きな前期比上昇をみせたはん用・生産用・業務用機械工業の上昇寄与が大きく、グローバル出荷全体の前期比0.7%上昇に対し、同工業が0.5%ポイントと7割以上の大きな上昇寄与となっていました。

輸送機械工業の上昇寄与が0.2%ポイント、化学工業の上昇寄与が0.1%ポイントで、この2業種の上昇寄与を合計しても、はん用・生産用・業務用機械工業の半分に届かないという結果ですので、2017年Ⅳ期のグローバル出荷の主役は、はん用・生産用・業務用機械工業と言って良いと思います。

海外現地法人の出荷である海外出荷の業種別、地域別の動きについての解説記事?、海外出荷の仕向け先別の動きと逆輸入比率についての解説記事?、そして、グローバル出荷に占める海外出荷の比率などのグローバル化比率についての解説記事?もありますので、ぜひご確認ください。

ミニ経済分析「グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成29年Ⅳ期(第4四半期))」のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180507minikeizai.html
グローバル出荷指数のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-gb.html

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