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2019年のプロ野球観戦者数は過去最高を更新。何がプロ野球ファンを増やしたのか?

毎年3月に開幕し、セントラル(セ)とパシフィック(パ)の両リーグ6チームが競いながら、例年年間計900戦近い試合が行われている日本のプロ野球ですが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響から3か月遅れ、6月19日にリーグ戦が始まりました。当初は無観客試合で行われ、7月10日から各球場とも最大5千人までの集客を上限とした有観客試合となっていました。

今回は第3次産業活動指数のプロ野球とその元データになる日本野球機構のデータから、2019年まで大盛況だったプロ野球をみてみます。

2013年以降は右上がりのプロ野球活動

第3次産業活動指数をみると、2013年以降の総合指数全体では2019年までは緩やかな上昇傾向ですが、内訳のプロ野球は右上がりの大幅上昇でした。プロ野球指数は一般社団法人 日本野球機構の公式戦入場者数(オールスター戦、日本シリーズ等を含む)を指数化しており、活動が盛況なのは野球場への入場者(観戦者)数が毎年増加しているためです。

月ごとの指数で比較しても、2019年までは年々、入場者数が増加していたことがよく分かります。

プロ野球に関しては、2004年には経営難に陥ったパ・リーグの球団の売却や合併構想が話題となり、1リーグ10球団構想も持ち上がるといった時期もありました。しかしその後、プロ野球への入場者数は増加し、特に2013年以降、勢いのある増加が続いています。

2013年と比べると2019年の入場者数は全球団で増加

プロ野球の入場者数は、近年どうして年々増えているのでしょうか?その要因を探るため、球団別に入場者数の動向を分析してみます。

日本野球機構のデータから、各球団のホームゲームでの年間入場者数を2013年=100と指数化して球団別にみてみると、減少した年もありますが、2019年は全球団で2013年より増加しています。

セ・リーグでは、2013年以降、まず広島東洋カープが大幅に増加しています。2014年には「カープ女子」が流行語として話題となりました。一方、横浜DeNAベイスターズが猛烈な追い上げを見せ、増加率は2016年に追いつき、2019年には大きく引き離しました。

なお、昔から人気のあった読売ジャイアンツに関しては、2013年から入場者数はほとんど変わっていません。

パ・リーグでは、東北楽天ゴールデンイーグルスの増加率が顕著でした。2013年には日本一に輝き、東日本大震災後の被災地、東北、そして日本を明るく元気付ける話題となりました。千葉ロッテマリーンズも、波はあるものの入場者数は増加傾向にあります。

近年のプロ野球の入場者数増加に最も寄与した上位3球団は、DeNA、広島、楽天

2013年から2019年の入場者数の増加数をリーグごと及び球団ごとにみると、セ・リーグの方がパ・リーグより増加数が多く、また、セ・リーグでは横浜DeNAベイスターズと広島東洋カープが、パ・リーグでは東北楽天ゴールデンイーグルスが、それぞれ増加幅が大きかったことがわかります。

近年のプロ野球の入場者数の伸びは、従来必ずしも人気でなかったものの、地域密着での取り組みを行いながら、女性ファンなど新たなファンを積極的に獲得してきた球団の寄与が大きいことが、興味深いところです。

増加幅の大きいベイスターズとイーグルスの2019年の平均入場者数は安定的に高水準

セ・パ両リーグで2019年の増加幅が最も大きかったベイスターズとイーグルスの2球団について、ホームゲーム(※)での平均入場者数を月別に2013年と比べてみます。

まず、ベイスターズは、2013年は7月に大きく減っているものの、開幕からピークの8月に向けて徐々に入場者数を増やしていましたが、2019年では当初から安定的に3万人超えと高水準になっており、今ではシーズン開始当初から満席に近い試合が続いていることがわかります。

一方、イーグルスも、2013年はベイスターズと同様の動きとなり、開幕当初の1万5千人台から、8月には2万人台に届く水準まで上げていましたが、2019年では開幕当初から2万5千人台で安定的に推移し、年間を通して高水準になっています。

2019年は両リーグの入場者数が総計、1試合当たりともに過去最高を更新しました。一方、3か月遅れて開幕した2020年のプロ野球ですが、例年行われるセ・パ交流戦やオールスターゲームが中止になるなど、規模も縮小しています。リーグ戦の試合日程は大幅に繰り下がり、パ・リーグの最終戦は11月5日(2019年は9月29日)、セ・リーグは11月7日(同9月30日)となり、日本シリーズの開幕戦は11月21日(同10月19日)を予定しています。

リーグ戦開幕直後の無観客試合と入場者数が5千人に制限された有観客試合が9月18日まで続き、9月19日以降も収容人数の50%までと入場制限が続くことから、6年連続で増加していた第3次産業活動指数の2020年プロ野球指数は大幅な低下が見込まれますが、ペナントレースの戦いはこれから特に白熱する時期ですので、今後の試合展開とプロ野球指数の回復の動きも注目されるところです。

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最終更新日:2020年9月28日
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