9月の情報通信業の落ち込みにはご用心;第3次産業活動指数の情報通信業における 季節調整に係る検証
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概要
サービス産業(第3次産業)活動指数の内訳大分類業種系列である情報通信業の季節調整済指数に、少し不思議な動きが生じています。
そこで、情報通信業のデータに、現在実施している季節調整とは異なる手法で季節調整を施してみました。
その結果、以下の点を確認することができました。
- 情報通信業の季節調整済指数に、原指数には見られない2015年9月以降の3月と9月の低下が見られるといった特殊な動きが生じており、その変動要因として内訳中分類業種の情報サービス業の寄与が大きいことが分かったほか、内訳中分類業種の動きの積み上げでは説明しきれない、加法不整合があることが分かった。
- 季節調整期間を長くしてX-12-ARIMAのモデルを再検討したり、様々な季節調整方法(DecompやX-13 ARIMA-SEATS)を試しつつ、公表値と比較してみたところ、情報通信業の季節調整済指数に見られた足下の3,9月の落ち込みや、情報サービス業の季節調整済指数の足下の不安定な動きは解消された。また、DecompやX-13 ARIMA-SEATSによる季節調整値は、公表値やX-12-ARIMAで再調整した値と比べて滑らかな動きの系列となった。
- DecompやX-13 ARIMA-SEATSで再調整した指数値に対する公表値の乖離率は、2015年9月及び2016年9月の実績によるとマイナス1.7~マイナス1.4%程度だった。この実績に基づくと、2017年9月の公表値についても、再調整した指数値と比べて同程度の落ち込みがあるものと予想される。
- 情報通信業とその内訳中分類業種それぞれにX-13 ARIMA-SEATSで季節調整を行い、加法不整合について、公表値と比較を行ったところ、加法不整合は大きく解消した。また、 X-13による直接適用法と間接適用法の結果を比較してみると、ほぼ一致した結果となっていた。
詳細な内容につきましては上記スライドショーを御覧いただくか、
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また、 経済解析室ニュース に、 概説 をアップしていますので、そちらもお目通しください。
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最終更新日:2017年11月6日