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訪日外国人消費の主要3大費目の買物代、宿泊料金、飲食費は、29年第4四半期に過去最高値を更新。全体への影響としては、買物及び宿泊分野での消費行動の拡大の影響が大きかった。 2018年4月10日

訪日外国人の消費金額を、消費者物価指数を用いて実質指数化し、訪日外国人の国内での旅行消費の動向を指標化した「訪日外国人消費指数(TCI)」を平成29年第4四半期分に更新しています。ここでは、TCIの費目別の動きについて紹介します。

買物代、宿泊料金、飲食費、交通費は引き続き好調に推移

下のグラフは、宿泊料金や飲食費といった消費費目別の指数の推移を折線グラフにしたものです。29年第4四半期は、宿泊料金、飲食費、交通費、娯楽サービス費、買物代 の5費目が上昇、「その他」のみが低下となりました。

当期は、宿泊料金、飲食費、交通費、買物代が、過去最高の指数値を更新しています。なかでも、買物代は、指数値559.2と、平成22年平均の6倍となる600台が目前に迫る上昇の勢いでした。

宿泊料金、飲食費、交通費、娯楽サービス費も、29年は1年を通じておおむね好調に推移しており、これら費目の30年以降の動向にも期待が持てそうです。

買物代、宿泊料金、飲食費が訪日外国人消費上昇に寄与

29年第4四半期について、訪日外国人消費指数全体の前期比の変動に対する費目別の寄与度をみてみると、宿泊料金、飲食費、交通費、娯楽サービス費、買物代 の5費目が上昇寄与、「その他」が低下寄与となりました。

このうち、最も高い寄与をみせたのは、買物代指数でした。買物代指数は、29年に入ってから上昇を続けていたものの、宿泊料金や飲食費の上昇インパクトが大きく目立ちませんでした。しかし、第4四半期には、上昇寄与の4割を占めるほどの高いプラス寄与をみせました。

宿泊料金は、29年に入ってから高い上昇寄与を続けており、当期も買物代に次ぐプラスの寄与となっています。

一方、第3四半期には宿泊料金と同様に高いプラス寄与をみせていた飲食費は、当期は買物代に押され、その寄与は少し小さくなりました。

第4四半期の訪日外国人消費指数全体の上昇には、買物代と宿泊料金の上昇が大きく影響したということがわかりました。

なお、訪日外国人消費指数の29年の年間値について、全体の前年比の変動に対する費目別の寄与度をみてみますと、内訳費目別の6費目全てが上昇寄与となりました。安定した高いプラス寄与をみせている宿泊料金と飲食費の上昇寄与を合わせると、29年も7割近くを占め、この2費目の影響度の高さは健在です。また、28年はマイナス寄与となっていた買物代も、29年は再びプラス寄与に転じており、訪日外国人消費は全体的に好調な動きとなっています。

アジアのお客様は全ての費目で上昇、一方、欧米のお客様は主要費目で低下

次は、「アジア」と「欧米」からのお客様の消費支出の動きに目を向けてみましょう。

29年第4四半期のアジアと欧米それぞれの訪日外国人消費指数の前期比の変動に対する費目別の寄与度をみてみます。

アジアからのお客様の消費支出ですが、29年第4四半期は、訪日外国人全体同様、「その他」以外の5費目が前期比上昇となりました。当期、最も上昇寄与が大きかったのは買物代で、アジア全体の前期比7.5%上昇に対し、買物代の上昇寄与は2.93%ポイントと、高い寄与をみせました。29年前半は低めのプラス寄与で推移していた買物代ですが、当期は上昇寄与トップの座に返り咲いています。

他方、欧米からのお客様の消費支出ですが、第4四半期の費目別指数は、アジア同様、「その他」以外の5費目が前期比上昇となりました。そもそも第3四半期は、欧米指数全体が前期比マイナスで、「その他」以外の5費目がマイナス寄与となっていましたので、そこからの回復が、ほぼ全費目に及んでいることが分かります。

欧米全体の前期比9.8%上昇に対し、最もプラスに寄与したのは宿泊料金の3.89%ポイント、それに次ぐのは飲食費の3.22%ポイントで、両者を合わせた上昇寄与が全体の7割以上を占めました。プラスにもマイナスにも、常に高い寄与をみせる欧米の宿泊料金と飲食費は、当期もその影響度の高さをみせています。

29年第4四半期の訪日外国人消費全体は、「その他」以外の全ての内訳費目で前期比上昇となりました。影響度合いが大きかったのは、買物代と宿泊料金の上昇でした。アジアからのお客様の買物支出の拡大、そして前期はマイナスだった欧米からのお客様の宿泊支出の上昇などが要因のようです。

費目別のより詳細な動きについては、経済解析室ニュースで「買物代指数」 「宿泊料金指数」 「飲食費指数」 について、順次説明していますので、こちらもご参照ください。

ミニ経済分析「2017年第4四半期の訪日外国人消費指数の動きと中国・アメリカの1人当たり消費額(母国通貨建て)の変化」のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180410minikeizai.html

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