ロシア等への輸出入に関するFAQ
FAQ
1. 該非判定について
[Q1] 規制の概要や政令を見ましたが、輸出令別表二の三の規制対象となる貨物が具体的に分かりません。
「輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令」をご確認ください。
※最新の省令の項番と以下公布時の項番が異なる場合があります。ご注意ください。
- 輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令
(令和4年3月15日公布、3月18日施行)
- 輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令の一部を改正する省令
(令和4年3月29日公布、4月5日施行) 概要
- 輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令の一部を改正する省令
(令和4年5月13日公布、5月20日施行) 概要
- 輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令の一部を改正する省令
(令和4年6月10日公布、6月17日施行) 概要
- 輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令の一部を改正する省令
(令和4年9月30日公布、10月7日施行) 概要
- 輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令の一部を改正する省令
(令和5年1月27日公布、2月3日施行) 概要
なお、輸出規制については、HSコード(関税率表の番号)に基づくものと、省令の記述に基づくものがあります。HSコードに基づく規制(輸出令別表第二の三のうち、二号の二及び三号(奢侈品)の対象貨物:上記2と4)については、輸出しようとする貨物のHSコードを調べ、該当しないかどうかを確認してください。なお奢侈品は指定された価額以下のものは規制対象外です(注)。省令の記述に基づく規制(輸出令別表第二の三のうち、一号の二及び二号の対象貨物:上記1、3、5、6)については、不明な場合は、まず概要や政令から該当する可能性のある項目を調べた上で、当該項目に相当する省令の記述を確認ください。
(注)奢侈品規制の対象貨物の一部(例えば、ノートパソコンや船外機)は、別表第二の三第二号の規制対象貨物としても規定されているため、奢侈品規制の対象となる価額以下の場合であっても、第二号の規制対象貨物として該当しないかをご確認ください。
なお、輸出令の運用については、別途「輸出貿易管理令の運用」がありますので、必要に応じてご参照ください。
※輸出貿易管理令別表二の三第一号の貨物(輸出貿易管理令別表一の1から15までの貨物)、輸出貿易管理令別表一の16(キャッチオール規制)については、安全保障貿易審査課までご確認ください。
[Q2] 貨物等省令の条文が引用されている箇所がありますが、何を参照すれば良いのでしょうか。
「輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令(貨物等省令)」を参照してください。「輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令(別2の3貨物省令)」とは異なります。
[Q3] 規制対象貨物のHSコードが4桁のものと6桁のものがありますが、どのように判断すれば良いですか。
HSコードが4桁で規制されているものは、貨物のHSコードの上4桁が一致するものが規制対象、6桁で規制されているものは6桁すべてが一致するものが規制対象です。ただし、輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令において、(○○を除く)、(○○に限る)とされているものは、4桁が一致していても6桁で規制対象から除かれている場合等があります。
例えば、輸出令別表第二の三第二号の二のニ(1)蒸気発生ボイラー及び過熱水ボイラー並びにこれらの部分品は、上記の省令第52条第1号(※令和4年9月30日改正前は省令第49条)で、第84.02項(第8402.11号を除く。)と規定されていますので、第84.02項で4桁が一致していても、第8402.11号は規制対象外となります。
なお、別表二の三第二号の二はQ3、奢侈品規制(輸出令別表第二の三第三号)はQ16、輸入規制はQ23もご参照ください。
[Q4] 輸出しようとする貨物は今回の規制対象貨物ではないですが、その貨物の部品に、輸出令別表二の三第二号の二にあるHSコードに該当するものがあります。この場合、輸出はできないのでしょうか。
第二号の二の規制対象となるHSコードに該当する部分品が他の貨物に組み込まれている場合でも、当該部分品が他の条項で規制対象となっておらず、かつ輸出する貨物も規制対象でなければ、規制対象外とご判断いただいて結構です。
ただし、修理用等として当該部品を単独で輸出する場合には規制されますので、ご注意ください。
[Q5] 輸出しようとする貨物が規制対象でないことの証明が欲しいのですが。
経済産業省では、非該当証明書のようなものは発給していません。製造元に問い合わせるなど、輸出者が自ら判定していただく必要があります。
[Q6] 特定団体の一覧表はありますか。
こちらをご確認ください。(令和5年3月7日時点)
輸出等に係る禁止措置の対象となるロシア連邦の特定団体一覧
輸出等に係る禁止措置の対象となるベラルーシ共和国の特定団体一覧
[Q7] 輸出先はロシア軍関係者ではない民間企業ですが、貨物は規制されるのでしょうか。
今回の対ロシア制裁では、特定団体向けの貨物がすべて規制されるほか、軍用あるいはデュアルユース(軍民両用)製品であるか否かに関わらず、政令・省令等で定める貨物の規定に該当すれば規制対象貨物に該当します。
[Q8] 輸出令別表第二の三第一号の二で「軍用の化学製剤の製造に用いられる装置」とありますが、例えば、自動車部品などの民生用として使用される貨物も規制対象となるのでしょうか。
「製造に用いられる装置」とは、「製造に用いることができる装置」を指します。輸出時点の想定では化学製剤の製造に用いることを目的としない、あるいは民生用として使用される予定の貨物であったとしても、政令・省令等で定める規定に該当すれば、製造に用いることができる装置(並びに部分品及び附属装置)として規制対象となります。民生品であることをもって規制対象外とはなりませんので、ご注意ください。
(参考)「輸出貿易管理令の運用について」
2. 車両及び船舶(輸出令別表第二の三第二号)について
[Q9] ディーゼルエンジンが搭載された自動車を完成車として輸出する場合、輸出令別表第二の三第二号の対象品目に該当しますか。
完成車として輸出する場合、該当しません。なお、一部の車両は、奢侈品規制(下記5.参照のこと)のほか、別表二の三貨物省令第92条、第94条及び第95条(※令和5年1月27日改正前は省令第52条、第54条及び第55条)で規制されておりますので、ご注意ください。
[Q10] ディーゼルエンジンそのものを輸出する場合、輸出令別表第二の三第二号の対象品目に該当しますか。
「輸出貿易管理令別表第二の三の規定に基づき貨物を定める省令」第30条(※令和4年9月30日改正前は省令第27条)に定めるディーゼルエンジンが対象となりますので、ご確認ください。なお、船舶用のエンジンも同29条(※令和4年9月30日改正前は省令第26条)で対象となりますので、他の条項もあわせてご確認ください。[Q11] 中古自動車の部品が一部欠損しており、そのままでは走行できませんが、修理すれば走行できる場合、ロシア向けに「自動車」として輸出することは可能でしょうか。
仮に走行不能であれば、完成車としての自動車としては見なしませんので、ロシアでの販売単位毎に、自動車部品を個別に判断していただく必要があります。ただし、輸出先で修理用部品が既にあり、そこで修理されて中古車として販売されることが明らかであるなどの特段の事情がある場合は、それを示す証拠書類と共にご相談ください。[Q12] 中古自動車のハーフカット/ノーズカットに、規制対象貨物に該当する部品が搭載されています。輸出貨物であるハーフカット/ノーズカットを輸出するものと考えて、規制対象外と見なして良いでしょうか。
自動車のハーフカットやノーズカットは、不動車同様、一般的に本来の自動車として機能を失っているものと考えられることから、特段の事情がない限り、内部に搭載された部品の集合体であるとみなしますので、規制対象の部品が含まれる場合は輸出できません。当該規制対象部品を取り外して輸出するなどの対応をご検討ください。[Q13] 別表第二の三貨物省令第30条(※令和4年9月30日改正前は省令第27条)の規制対象にある「トラクター」とは農業用トラクターのことですか。
ここでいう「トラクター」は、農業用トラクターのみならず、トレーラーヘッドなどの牽引車両を指します。自らの荷台で貨物を運ぶようなトラックや建設機械など、牽引を主目的としない車両は含みません。
[Q14] 輸出令別表第二の三第2号に定める(79)大型のボーリング機械及び鉱業で使用される大型の土木機械とはどういったものが対象となりますか。
当該項目でいう「大型」機械については、機械により大型の概念が異なるため一般化することは困難ですが、別表第二の三貨物省令第82条第2号について、少なくとも法により「小型」の車両系建設機械とされている機体重量3トン未満のものやJIS(A 8308)で定めるミニ機械(例えば、ミニショベル(運転質量6トン以下))に分類される機械は、ここでいう「大型」機械ではないとご判断いただいて結構ですので、当該重量を確認できる書類等とともに通関時にご説明ください。これを超えるものや大型であることの判断基準が明確ではない土木機械については、「小型」に分類される(大型ではない)ことが妥当であることの合理的な説明が示される必要があります。また、同号の「鉱業で使用される土木機械」に該当するか否かについては、上記の「大型」機械に該当するものであって、およそ鉱業(採鉱又は穿孔)において用いられることが想定されない特段の事情がない限りは、該当するものとお考えください。
なお、専ら公道を走行し貨物を輸送するトラックのような車両は、ここでいう「土木機械」ではないとお考えいただいて結構です。その場合であっても、輸出令別表第二の三第2号の2ト(1)において、「貨物自動車」が規制対象となっておりますので、当該項目で規制対象となっていないか、併せてご確認ください。
[Q15] 漁網や防舷材としての自動車用中古タイヤをロシア船籍の漁船に輸出することは、輸出令別表第二の三第二号の規制対象である「船舶の部分品」の輸出に当たりますか。
船舶に搭載するため設計されている貨物は原則として規制対象となります。ただし、漁網のようにそれ自身が船舶の航行に直接影響しない貨物や、防舷材として用いる自動車用中古タイヤのように船舶以外にも使用可能な汎用品を船舶用としてたまたま利用しているような場合は、規制対象外となりますので、疑義がある場合は個別にご相談ください。[Q16] 別表第二の三貨物省令29条9号(※令和4年9月30日改正前は省令第26条)に「コンパス」や「マスク」が突然出てきますが、これは登山用コンパスや医療用マスクが規制対象という意味でしょうか。
別表第二の三貨物省令29条9号は潜水用具を規制するものです。当該コンパスやマスクはそれぞれ「ダイビングコンパス」「ダイビングマスク」を指すものとお考えください。なお、目のみを保護するゴーグルは規制対象に含まれません。
3. 電子計算機関連について
[Q17] USBメモリやSDカードは輸出規制の対象でしょうか。
輸出令別表第二の三第2号(7) 「電子計算機及びその附属装置並びにこれらの部分品」の「附属装置」(詳細は省令第10条(令和4年9月30日改正前は第7条))や「暗号装置及びその部分品」(詳細は省令第14条(令和4年9月30日改正前は第11条))に規定するスペックに該当しないかご確認ください。一般的に、これらの記憶媒体は、およそコンピュータで用いることのできない特殊な仕様であるなどの事情がない限り、「複数のデジタル電子計算機又はその附属装置の間でデータを転送するように特に設計したデジタル電子計算機の附属装置」に該当すると考えられます。また、その中に、データ保護のための暗号化プログラムが組み込まれている場合は、その記憶媒体自体が「暗号装置」となります。
加えて、当該記憶媒体に記録された情報がプログラムの場合は、該当する役務取引規制をご確認ください。この告示に該当するプログラムをロシアの法令に基づき設置された法人等、以下の告示で規定する者に対して提供する取引の場合には、役務規制の対象となります。また、特定団体に対して提供する取引の場合には、プログラムの内容にかかわらず、役務規制の対象となります。
[Q18] ロシア向け輸出貨物に通信機能が備わっており、その通信が暗号化される方式なのですが、これは「暗号装置」として規制対象になるのでしょうか。
暗号を実現する装置は、他の装置の一部に組み込まれている場合であっても、それ単体として取り外し可能であり他の用途への転用が可能であれば、単体で該非を判定する必要があります。一方、規制対象の暗号は、特に規制されている通信方式を除くと、基本的に貨物等省令第8条第9号イの技術要件を満たす必要があるため、まずはそれに該当するか確認していただく必要があります。例えば、共通鍵暗号であれば鍵長56ビット以上、RSA暗号であれば鍵長512ビット以上が規制対象です。
その上で、仮に規制対象と判定された場合であっても、暗号ソースコードがウェブ上で公開されているなど、既に公知の技術として扱われるべきであると勘案すべき事情がある場合には、ご相談ください。
4.奢侈品(輸出令別表第二の三第三号)について
[Q19] 輸出しようとする貨物が奢侈品規制の対象となる貨物かどうかが分かりません。
対象貨物かどうかは、HSコード(関税率表の番号)と金額で判断してください。
ロシア向け奢侈品輸出禁止措置の概要
[Q20] 規制の対象となる判断基準で示されている「単位あたり総価額」とは何ですか。
商品を構成する最小単位となる箱やパッケージ、その他これらに相当するものの1単位当たりの金額です。仮に1個(本)ずつ販売する場合は1個(本)あたりの価格、1箱(セット)単位で販売する場合は1箱(セット)あたりの価格です。
5.役務取引について
[Q21] 令和4年3月17日以前にロシアに輸出した規制対象貨物やプログラムに不具合が生じ、メンテナンスしたいが、許可申請が必要ですか。
修理用部品等の貨物の輸出を伴わず、かつ、令和4年3月17日以前の契約で、輸出貨物やプログラムのメンテナンスを既に含んでいる場合は、許可申請は不要です。ただし、特定団体向けのものは上記にかかわらず許可が必要となり、原則許可されません。また、当該サービスを提供できるのは、貨物やプログラムのアップグレードを伴わない必要最小限なものであることに限ります。
[Q22] ロシアの研究機関との間で、共同研究を実施したいのですが、基礎科学分野の研究活動にとどまる場合は実施できますか。
ロシアの研究機関に規制対象の技術を提供する場合、許可が必要となります。それが規制対象貨物に該当する場合は、製品開発に至らない研究にとどまる場合であっても規制対象です。また、貿易外省令第9条第1項及び第2項の「許可を要しない役務取引等」は外為法第25条第1項、外為令第17条第1項と外為法25条第3項、外為令第17条第2項に規定する役務取引の許可にかかるものであり、外為法第25条第6項、外為令第18条第3項に基づく規制には原則として適用されません。
[Q23] 規制対象技術であれば、たとえウェブサイト等で公開されている技術であったとしても、ロシアの企業や研究機関等には提供できないのでしょうか。
規制対象に該当する貨物に関する技術情報であったとしても、新聞、書籍、雑誌、カタログ、電気通信ネットワーク上のファイル等により、不特定多数の者が制限なく参照できるように掲載されている場合、当該技術情報は既に公知の技術と見なされますので、規制対象外となります。
[Q24] 不特定多数の者が入手又は閲覧可能とすることを目的として、学会発表用の原稿を提供する場合、どのような点に留意すれば良いですか。
既に不特定多数の者に対して公開されている技術(公知の技術)については規制対象外となりますが、これから公知にしようとする技術の場合、役務告示の規定に該当する場合には規制対象となります。
なお、役務の提供先がQ5に掲載する特定団体に該当する場合には、上記告示別表第一に掲げる技術であるかどうかを問わず、経済産業大臣の許可が必要となります(原則許可されません)。
[Q25] 規制対象貨物の操作マニュアルが当社のホームページに掲載されているのですが、ロシアの企業が見ることができることを考えると、削除した方がいいのでしょうか
ウェブサイトで不特定多数の者が制限なく貨物の操作マニュアル等を参照できるように掲載されているのであれば、今般の措置の規制対象外となりますので、削除する必要はありません。6.輸入規制について
[Q26] どのような貨物が輸入禁止の対象となりますか。
HSコード(関税率表の番号)で確認してください。ロシアを原産地又は船積地域とする対象貨物(指定されたHSコードに該当)が対象となります。
【参考】対ロシア輸入禁止措置
また、2022年12月及び2023年2月にロシアを原産地とする原油や石油製品の一部が輸入規制の対象に追加されました。ロシア原産の原油や石油製品に関する手続き等は以下をご参照ください。
ロシアを原産地とする原油及び石油製品の輸入について
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