電磁界の性質・作用電磁界にはどのような性質・作用があるのでしょうか?
電界は電気を通す物質に電流を流します。磁界は磁性を持つ金属を引き寄せます。人のからだのように磁性を持たない物質に磁界は作用しませんが、磁界の向きや強さが変化すると電磁誘導により、電流を流します。
電磁波は海の波のようなものですから、波の性質や作用は波の高さ、波の長さ(波長)によって変わります。
波長は波の振動の速さ(周波数)が速いほど短くなります。電磁波は、次表に示すように、その周波数毎に様々な名称で呼ばれ、それぞれの性質に応じて電力設備、放送通信など様々な用途に利用されています。波長が1 mm以下の電磁波は可視光など光のなかまになります。さらに波長の短い電磁波には紫外線、エックス線やガンマ線があります。紫外線の一部より波長の短い電磁波は、物質に衝突して原子から電子を引き離す電離作用を持つことから、「電離放射線」と呼ばれます。電離放射線は細胞内の遺伝子を傷つける作用がありますが、これより波長の長い可視光線、電波、電力設備から発生する超低周波電磁界にはそのような作用はありませんので、「非電離放射線」と呼んで区別されています。
このホームページでは超低周波電磁界(300Hzまで)のうち送電線等の電力設備や一般の人が日常的に接する家電製品に使われている50/60Hz(商用周波)の電磁界の健康に対する影響について考えていきます。50Hz、60Hzの電圧、電流は1秒間に50回、60回向きが変わるので電磁波のなかまですが、波長はそれぞれ6,000㎞、5,000㎞と、地球の半径にも相当する長さになります。このため、空気中で電磁界が遠くに伝わる性質は弱く、距離とともに急激に弱くなります。
■代表的な電磁波(電磁界)の種類と用途