令和6年度の受賞企業紹介
製造事業者・輸入事業者部門
部門 | 受賞企業 |
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大企業
製造事業者・輸入事業者部門 |
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中小企業
製造事業者・輸入事業者部門 |
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小売販売事業者部門
部門 | 受賞企業 |
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中小企業
小売販売事業者部門 |
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特別賞
部門 | 受賞企業 |
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企業総合部門
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ネットモール運営事業者部門
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製造事業者・輸入事業者部門

設立 | 1949年 |
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代表者 | 取締役 代表執行役社長 兼 Chief Executive Officer(CEO) 瀬戸 欣哉 |
従業員数 | 49,310名(2024年3月現在) |
所在地 | 東京都品川区 |
事業内容 | 住宅およびビルの建材・設備機器の製造・販売、その他住宅に付帯する事業およびその関連サービス業 |
URL | https://www.lixil.co.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●DX推進による施工の適正化と事故防止の取組
施工に関してDXを積極的に推進し、技術者がいつでも施行手順を確認できる動画サイト「LIXIL-X」の公開や、現場において設置した写真をスマホで撮影するとAIが取り付け部の良否判定を行うとともに施工に関するトレーサビリティを記録する「ふろさぽなび」の導入を行い、施行不良による事故防止に努めている。
●CAE解析を活用したより安全な製品の設計開発
CAE解析(コンピュータ上での使用シミュレーションと分析手法)を活用し、製品使用時に高齢者の筋骨格にかかる負荷や、気候変動にともなう屋外設置の人工木デッキ材の金属部品の温度上昇などを明らかにし、これまで把握できてなかった危害要因などを捉えることで、より安全な製品の設計開発につなげている。
●昨年受賞時からのさらなる発展
昨年の優良賞受賞を踏まえ、本社安全・品質統括部の下でさらなる全社統一の製品安全基準の構築、また小中学生に対する出前授業と産学連携による授業コンテンツの充実化など、精力的な活動により、製品安全の取組の向上に取り組み続けている。

設立 | 1954年 |
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代表者 | 代表取締役社長 兼 COO 遠藤 浩彰 |
従業員数 | 383名(2024年3月現在) |
所在地 | 東京都千代田区 |
事業内容 | カミソリ、ツメキリ、包丁、調理用品、製菓用品、化粧小物などの国内販売と輸出入 |
URL | https://www.kai-group.com/[外部リンク] |
受賞のポイント
●テキストマイニングツールを活用した顧客の声(VOC)の分析と改善
自社窓口への問い合わせやSNSでの投稿など、製品に関する顧客の声(VOC)を広く収集し、社内データベースで一元管理した上で、テキストマイニングツールを活用して肯定的な評価や安全上の懸念につながる情報などを洗い出すことで、設計開発やリコールの検討など多面的な製品安全対策につなげている。
●国内外の製品事故情報の収集と設計開発への応用
消費生活用製品に関する日本・米国・欧州・豪州・カナダ・中国などの製品事故情報を自社製品に限定せず幅広くかつ継続的に収集し、要因分析を行うとともに、社内会議やシステムを通じて情報共有している。得られた知見は刃物製品に限らず、電動調理器具など過去取り扱っていなかった製品の開発に活用されている。
●マイスター制度を通じた製品安全文化の構築
すべての社員が「刃物について語る・説明できる」ことを目的とし、研ぎ方を含めた製品の正しい使用方法についての知識習得を促す「マイスター制度」を設けている。資格取得者は販売店への研修や、取引先店頭での消費者啓発を担い、製品安全文化の構築に努めている。

設立 | 1918年 |
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代表者 | 代表取締役 社長執行役員 市川 典男 |
従業員数 | 1,314名[連結](2023年11月現在) |
所在地 | 大阪府大阪市 |
事業内容 | 調理家電製品、生活家電製品、リビング製品などの製造・販売およびこれに附帯する事業 |
URL | https://www.zojirushi.co.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●他社に先駆けた安全基準の策定と業界基準への昇華
電気ケトルなどの電気湯沸器製品において使用者の不注意等による転倒と熱湯流出に起因するやけど事故が発生していることを踏まえ、自社独自の転倒流水試験と要求基準を策定して安全な製品づくりにつなげるとともに、これらがJIS規格等に取り入れられるよう関係者に積極的に働きかけて主導し、業界全体での安全性向上に貢献している。
●事業部の垣根を超えた「横ぐし会議制度」の運用
事業部ごとの会議とは別に、設計・品質・印刷・電子等の担当毎に事業部をまたいで開催する「横ぐし会議制度」を運用している。これによって、サイレントチェンジ(発注者の承認を得ないまま、取引先の部品・素材メーカーなどが独断で製品の使用部材や材料の組成等を変えてしまうこと)への対策や製品事故情報の収集・分析など、事業部を超えて実施すべき対策を効果的・効率的に進めるとともに、部門間の連携強化につなげている。
●誤使用事故防止に向けた消費者への注意喚起の工夫
特に注意喚起が必要な情報は取扱説明書での注意文として記載するだけに留めず、製品の開封時に目につきやすい位置に注意喚起のチラシを同封したり、QRコードを起点として取扱説明書から製品の使い方動画を閲覧できるよう円滑に誘導したりすることで、製品本体から取扱説明書への円滑なアクセスを可能とするなど、様々な工夫を凝らすことによって誤使用事故の未然防止を図っている。

設立 | 1964年 |
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代表者 | 代表取締役社長 小林 弘明 |
従業員数 | 16,285名[連結]、2,864名[単体](2023年12月現在) |
所在地 | 愛知県名古屋市 |
事業内容 | 給湯機器・厨房機器・空調機器の開発・製造・販売 |
URL | https://www.paloma.co.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●過去の事故を踏まえた設計および施工における安全対策の徹底
経営トップによる「『製品の誤使用』は危険な言葉である」という認識の下で、事故原因を突き詰めて検討し、設計対策によって誤使用事故の防止を積極的に図るとともに、誤った設置や修理による事故を防ぐため、全国8か所の研修センターを活用し、幅広く取引先に対し修理や施工に関する安全教育を行い、また独自の社内資格制度などを活用した施工業者への安全教育を徹底している。
●リコール実施を前提として製品事故や不具合を検証する仕組み
発生したすべての製品事故や不具合について、部門を横断して即時に情報共有し、リコールすることを前提に内容把握や原因分析、対策検討を行う体制としており、リコールしないと判断された場合もその是非を社外有識者による委員会に定期的に諮る仕組みを設け、判断の妥当性を担保している。
●自社展示「失敗からの学び」による過去の教訓の伝承
本社ビルの一角において過去の製品事故やリコールを引き起こした製品を展示し、事故等の要因や問題点、行った対策、得られた教訓などを展示し、入社時や昇進時などの節目において従業員の見学を義務付けることにより、事故の風化を防止するとともに製品安全の重要性を再確認する取組を継続的・発展的に実施している。

設立 | 1948年 |
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代表者 | 代表取締役社長 松本 將 |
従業員数 | 236名(2024年4月現在) |
所在地 | 大阪府大阪市 |
事業内容 | 住宅関連資材の開発並びに販売、「高齢者リフォーム」のための資材開発と販売 |
URL | https://www.mazroc.co.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●モトエプロジェクトによる製品安全とサーキュラーエコノミーの両立
再生可能な製品を回収し、部品交換や再塗装などによる補修を行い、検査によって安全性が確認できたものを再利用に供するという「モトエプロジェクト」を積極的に推進している。補修過程では製品の劣化傾向を分析し、新規生産品において設計変更を行うなど、製品改良にもつなげている。これらの活動により、製品安全とサーキュラーエコノミーの両立を実現している。
●製品安全に関する情報の一元管理の継続的な推進
製品の設計から生産、梱包、顧客からの問い合わせやクレーム情報までに至るあらゆる情報を商品情報データベースに一元的に集約し、検索性を持たせることで、新規開発品における不具合の再発防止や、万一の事故発生時における同様の事例の発生状況の確認などを可能とする仕組みを継続的に推進している。
●多様なステークホルダーと連携した製品安全文化の構築
製品を利用する介護事業者に向けた定期的な講習会や、施工業者に向けた誤施工防止の研修会、製品事故実態の把握に向けた産学官での共同研究、高齢者の多い自治体における誤使用防止を呼び掛けるイベントへの参加、SNSを活用した双方向のコミュニケーションなどを通じ、自社を取り巻く多様なステークホルダーと連携し、製品安全文化の構築に向けた活動を行っている。

設立 | 1982年 |
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代表者 | 代表取締役社長 木村 弘紀 |
従業員数 | 121名(2024年9月現在) |
所在地 | 大阪府東大阪市 |
事業内容 | オートバイ、自転車用(幼児~大人用)・ 各種競技用ヘルメット及び周辺用品の製造販売 |
URL | https://www.ogkkabuto.co.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●自転車ヘルメットの着用努力義務化を踏まえた積極的な安全啓発
2023年4月から自転車の運転時におけるヘルメット着用が全国的に努力義務化されたことを踏まえ、ヘルメットを着用の重要性や正しい選び方、着用方法の周知を図るため、自治体と共同での啓発動画の作成や、工業会を通じた動画の周知、各地の警察や、自治体、学校での講習会の開催など、積極的な啓発活動を行っている。
●屋外での長期使用を想定した安全性の確認と製品改良の取組
長期にわたって屋外で使用されるヘルメットの製品特性を踏まえ、大学との共同研究による先進的安全への積極的な取組、規格要求を超えた加速劣化試験や屋外曝露試験によって劣化前後の製品および部品の性能を確認し、落下や衝撃による安全性を確認するとともに、より劣化しにくい構造や部材選定の検討につなげている。
●顧客の声を起点とした消費者視点での製品安全対策
消費者から寄せられた声や取引先からの不具合情報を日次で社内共有し、また品質部門を含めた複数の部署が参加するTQM活動を定期的に行うことで、製品事故に至っていないものについても設計によって再発防止を図っている。ヘルメット製品の需要拡大によって増えた使用に不慣れな消費者や高齢者からの意見にも真摯に耳を傾け、製品改善を図っている。

設立 | 1940年 |
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代表者 | 代表取締役社長 髙橋 竜也 |
従業員数 | 375名(2024年4月現在) |
所在地 | 新潟県三条市 |
事業内容 | 建築用工具、電動工具、DIY 用品、ガーデニング用品等の企画・製造・及び販売 |
URL | https://www.takagi-plc.co.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●情報集積システム「CINDY」による誤使用事故防止の取組
ウェブサイトやメール、電話など様々なルートから寄せられる顧客からの製品に関する問い合わせ等の情報を情報集積システム「CINDY」によって一元的に管理し、これを踏まえて取扱説明書や自社ウェブサイト上の製品FAQを頻繁に見直すことで、自社として消費者の関心事項や質問・要望を的確に整理・把握するとともに、消費者の製品に関する理解度を高めるための情報提供を通じて、誤使用事故の防止を図っている。
●万一の製品リコールに備えたトレーサビリティと通知方法の確保
万一、製品事故や不具合が発生した場合に備え、QRコードによる部品(バッテリーパック)レベルと製造ロットによる製品レベルでのトレーサビリティを確保するとともに、自社のLINE公式アカウントを通じて対象者に直接かつ迅速にリコール通知を行える体制を整備している。
●経営トップと燕三条地域の意識を背景とした安全対策の推進
経営トップの主導の下、業界水準への適合に留まらない自社独自の能動的な製品安全対策を実現するためのプロジェクトを始動させ、自社が拠点を構える燕三条地域にいる本表彰制度の受賞歴を有する企業との積極的な意見交換を通じて得た知見を活かし、業界において先進的な安全対策を推進している。

設立 | 1988年 |
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代表者 | 代表取締役社長 楢井 貴博 |
従業員数 | 34名(2024年11月現在) |
所在地 | 兵庫県尼崎市 |
事業内容 | 知育玩具の開発製造販売、幼児教室の運営 |
URL | https://www.ed-inter.co.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●使用現場の声を反映した製品開発と対象年齢の設定
製品の企画・設計に自社で運営する幼児教室のベテラン教員を参加させ、乳幼児の実使用状況を踏まえて安全性の観点から検証や改善を行っている。また、遊び・知育の内容とレベルに則した対象年齢を設定し、誤飲につながる小部品の脱落などに関してより厳しい安全基準への適合を自社製品に課すことで、製品事故の未然防止を図っている。
●高い安全意識に基づく製品の自主的・継続的な改善
メールや電話、自社ウェブサイトを通じて顧客からの声を積極的に収集し、不具合や事故の情報が寄せられた場合は必ず製品現物を回収した上で、原因分析を行っている。その結果を踏まえ、事故や不具合に至っていない場合も含め、安全の観点から製品の自主的な改善を図るとともに、得られた情報はデータベースに蓄積することで、将来の製品開発につなげている。
●海外自社工場における一貫した安全なものづくり
国内の木製知育玩具メーカーでは唯一となる海外の自社工場において、トレーサビリティを確保した原材料の仕入れから木材の加工、塗装、検品、出荷といった工程を一貫して行いつつ、月に一度程度は本社スタッフを派遣して製造工程の確認や指導を行うことで、安全なものづくりを志向している。

設立 | 1943年 |
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代表者 | 代表取締役社長 関 ひろみ |
従業員数 | 283名(2024年10月現在) |
所在地 | 岐阜県高山市 |
事業内容 | 木製家具、建具の製造販売 |
URL | https://www.kashiwa.gr.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●木材の特性を踏まえた自社独自の基準設定と接合技術
天然素材である木材の性質上、強度にばらつきがあることを踏まえ、自社基準で節の大きさや数等の許容範囲を策定し、それに沿ったものを選定・使用するとともに、設計によって強度を高める独自接合技術「S字フィンガージョイント」を開発し、製品破損による事故の未然防止を図っている。
●運送会社への徹底指導を通じた輸送中の衝撃に起因する事故防止
過去の製品事故データから、運送中の衝撃が要因の多くを占めていると捉え、運送会社や設置・開梱業者に対し留意点を記した冊子を配布している。加えて、配送や納品の現場を訪問し、積み込みや荷下ろし、納品先での組み立てといった工程を確認し、必要に応じて改善要望を出すことで事故防止につなげている。
●業界団体をリードした製品安全文化構築の取組
飛騨木工連合会の会員企業として、過去30年以上にわたって地元の小学生による自社工場の社会見学を優先的に受け入れ、製品の正しい使い方を周知している。また、木材や塗料、接着剤の安全性を含む同連合会独自の認証基準の策定を主導するなど、業界団体をリードした製品安全文化の構築に長年貢献を続けている。

設立 | 1919年 |
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代表者 | 代表取締役社長 泉 貴章 |
従業員数 | 297名(2024年10月現在) |
所在地 | 兵庫県たつの市 |
事業内容 | ランドセル、関連グッズの企画・製造・販売、その他鞄の企画・販売 |
URL | https://www.seiban.com/[外部リンク] |
受賞のポイント
●小学生の事故動向を踏まえた設計による安全対策
ランドセル使用時に起きた事故情報を収集し、設計による対策を講じており、バスの扉への挟まり事故を踏まえて一定の力で引っ張られると自動的に外れる金具の開発や、薄暮や夜間における視認性低下による交通事故を防ぐための再帰反射材の採用などにより、小学生の安全確保に努めている。
●業界水準を超える10年間の使用を想定した自社基準の運用
多様な使用環境で長く使用されるランドセル製品の特性を踏まえ、業界水準の6年保証を超える、10年間の使用を想定した自社基準を策定し、自社で試験設備を備えた加速劣化試験への合格によって耐久性が確認された部材(すべてのカラーバリエーションを対象)のみを採用している。
●顧客の声(VOC)の全社共有による対応状況のモニタリング
問い合わせ窓口を通じて寄せられる顧客の声(VOC)からクレームや要望を収集し、内容に応じて対応部門を割り振るとともに、全社に情報を共有することで、対応が見逃されたり不十分となったりすることを防止する仕組みにしている。

設立 | 1964年 |
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代表者 | 代表取締役 松永 圭司 |
従業員数 | 109名(2024年7月現在) |
所在地 | 愛知県北名古屋市 |
事業内容 | 車椅子、歩行車、ストレッチャー、杖等の介護福祉用品の製造販売 |
URL | https://www.wheelchair.co.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●ユーザー目線に立った製品開発
新製品の開発段階において、民間規格および自社独自の試験によって基本的な安全性を確認しつつ、社内の車椅子利用者による試作品の検証を通じてユーザー目線での課題の洗い出しと設計部門へのフィードバックを行うことで、安全なものづくりを志向している。
●自社独自のチェックリストへの知見の集約
オーダーメイド製品において個々の顧客からの要望を製品として具現化する過程で生じた課題をチェックリストに蓄積し、以降の製品開発で活用している。
●製品事故や不具合情報の全社的共有
販売店から営業担当者が収集した製品事故や不具合情報は社内の基幹システムに登録し、当該製品の担当部署に限らず、すべての社内関係者が閲覧可能とすることで安全な製品づくりに活かしている。

設立 | 1992年 |
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代表者 | 代表取締役社長 河内谷 忠弘 |
従業員数 | 101名[単体]、140名[連結](2024年7月現在) |
所在地 | 福岡県大野城市 |
事業内容 | 医療・介護用ベッド、マットレス等ベッド周辺機器の製造販売 |
URL | https://www.platz-ltd.co.jp/[外部リンク] |
受賞のポイント
●ビデオ録画を活用した生産工程におけるトレーサビリティ確保
各部材へのシリアルナンバーの貼付に加え、生産工程をビデオ録画によって記録することで、いつ・誰が・どの部材について・どのように作業したかを事後的に確認することが可能なシステムを構築し、製品不具合が発生した場合における実態に沿った原因特定と対策検討を可能としている。
●4コマ漫画による介護製品での事故やヒヤリハットの注意喚起
介護ベッドや据え置き型手すりなどの事故やヒヤリハットの事例を4コマ漫画にまとめ、正しい使い方や製品の選び方について啓発するガイドブックを作成し、医療・介護の従事者や自社取引先、一般消費者に配付することで、介護製品による製品事故の防止に取り組んでいる。
●業界団体レベルでの事故情報の共有と自社製品の見直し
医療・介護ベッド安全普及協議会の会員として、会員メーカーの製品における重大製品事故の発生状況や原因等の情報を共有する活動に協力するとともに、得られた他社製品の事故情報が自社製品にも当てはまるものではないかをリスクアセスメントによって確認し、必要に応じて設計等の見直しにつなげている。
小売販売事業者部門

設立 | 1967年 |
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代表者 | 代表取締役 上田 隆 |
従業員数 | 36名(2024年10月現在) |
所在地 | 奈良県天理市 |
事業内容 | エスプレッソマシン輸入販売・コーヒー豆焙煎 |
URL | https://daiichi-mottainai.com/[外部リンク] |
受賞のポイント
●過去の教訓を踏まえたサイレントチェンジ対策
過去のサイレントチェンジ(部品サプライヤーにおける樹脂材料の無断変更)による教訓に基づき、安全の観点で特に重要といえる部品を特定し、仕様からの逸脱がないかに関するチェック項目を設けた上で、入荷時のサンプル検査と出荷時の全数検査による二段階での確認と一連のプロセスの記録・保管によって対策を講じている。
●充実したテーマごとの解説動画による製品安全情報の発信
製品の正しいメンテナンス方法や不具合時の対応、電圧・電源についての基礎知識など、使用者が必要とする情報をテーマごとに解説する動画を作成し、自社ウェブサイトからの検索や製品同梱のリーフレットのQRコードから簡単にアクセス可能としている。
●製品安全を起点として企業価値を高める継続的な活動
製品安全対策をコストではなく、自社の企業価値を高める活動と位置づけ、積極的に対策を講じるとともにその内容を広く発信し、自社ブランドに対する信頼醸成と販路拡大、新たな人材獲得による社内活性化といった相乗効果を生み出している。また、自社の成功体験を社外にも共有することで、社会的な好循環の創出を志向している。

設立 | 1991年 |
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代表者 | 代表取締役 井戸 和之 |
従業員数 | 50名(2024年10月現在) |
所在地 | 奈良県大和郡山市 |
事業内容 | 住宅設備機器の販売・点検・修理等のサービス全般 |
URL | http://www.nara-nikka.com/[外部リンク] |
受賞のポイント
●顧客管理システムによる迅速かつ的確なアフターサービス
従来は営業所ごとに管理していた顧客情報を全社共通の顧客管理システムで一元的に管理することで、顧客から問い合わせを受けた時点で過去の製品の購入や修理履歴を遡り、迅速かつ的確な修理対応や、使用期間を踏まえた製品の買い替えの提案などを行うことで、製品事故の未然防止に努めている。
●自社の独自媒体を通じた地域顧客へのリコール情報の周知
自社すべての顧客に対して2か月に1回の頻度で配付している「日化通信」において、自社で販売している製品に限らず、メーカーが発信するリコール情報を広く掲載し、リコール対応を促すことで、製品事故の拡大防止を図っている。
●地域密着型の「安心くらぶ」による製品安全活動の継続
2000年以降、地域住民を対象にした会員制の安心サポートシステムである「安心くらぶ」の活動を継続実施し、約500世帯に対して最大年6回の戸別訪問を行うことで、製品の安全な使用がされているかを見守るとともに、清掃などによるメンテナンスや、長期使用製品の買い替え相談に応じている。
上記以外の団体・企業部門

設立 | 1971年 |
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代表者 | 代表取締役社長 遠藤 健治 |
従業員数 | 488名(2024年3月現在) |
所在地 | 石川県金沢市 |
事業内容 | 電子制御ユニット及びリモコン(ガス・石油・電気機器用)、高電圧ユニット、LED照明の開発・設計・製造 |
URL | https://www.rbcontrols.co.jp/ [外部リンク] |
受賞のポイント
●部品特性を踏まえた製品安全を実現する多重の対策の実施
ガス燃焼機器の電子制御部品に求められる高度な品質と安全性を実現するため、電子部品故障時の安全性のFMEAでの評価、マイコンの動作異常を想定してソフトウェアによる安全を担保する仕組みの標準設計書での規定など、多重の対策を講じている。
●「べからず集」への過去トラブルの集約化と再発防止
過去に発生したトラブルの内容や原因、対策を「技術問題点反映チェックシート(べからず集)」に集約し、製品の開発・設計段階でこれに照らして同様の誤りや見落としなどがないかを確認することで、網羅的な再発防止策につなげている。
●製品安全の知識および知識の浸透に向けた教育プログラム
製品安全の重要性や関連法令等について学ぶ階層別の教育プログラムや、設計に必要な知識や技術の標準化をねらいとし配属後2年間をかけて受講する設計者向けの教育プログラムを整備している。

設立 | 1973年 |
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代表者 | 代表取締役社長 正木 秀樹 |
従業員数 | 4名(2024年10月現在) |
所在地 | 大阪府大阪市 |
事業内容 | AIを活用したリスクアセスメント事業、製品安全デザイン事業、取扱説明書の標準化事業、安全DX事業など |
URL | https://www.koshida-art.co.jp/ [外部リンク] |
受賞のポイント
●AIを活用したリスクアセスメント手法の開発
事故情報データベースのテキスト情報に対しAIによる相関分析を行うことで特定の製品に関連するハザードを抽出するプラットフォームを開発し、人力で行うよりも網羅的かつ短時間でのリスクアセスメントを可能とすることで、安全なものづくりに貢献している。
●取扱説明書に関する規格策定および内容周知への寄与
取扱説明書の作成に関する工業規格(JIS B 9719:2022)の原案策定にWGおよび委員会のメンバーとして関与するとともに、国内の製造事業者に対して当該規格について解説する勉強会を個別に開催することで、内容周知にも寄与している。
●製品安全コミュニティ企業などへの継続的な取組支援
PSアワードを受賞した製品安全コミュニティ内外の企業が開発した製品のデザインレビューやリスクアセスメント、取扱説明書の評価・検証、製品安全対策を講じたブランディングなどの支援を継続的に実施しており、国内事業者の製品安全の取組を高めている。

設立 | 2016年 |
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代表者 | 代表取締役社長 中原 美智子 |
従業員数 | 1名(2024年11月現在) |
所在地 | 兵庫県尼崎市 |
事業内容 | 子どもとの外出に困っている方へのツール・サービスの提供(商品名「ふたごじてんしゃ」のアセスメント販売) |
URL | https://futago-jitensya.jp/ [外部リンク] |
受賞のポイント
●「アセスメント販売」による製品事故防止の取組
自社独自の「アセスメント販売」の仕組みを通じ、幼児二人が同時乗用できる三輪自転車の購入希望者に対して、製品のメリットおよびデメリットを周知し、自宅周辺の道路状況を含めた想定使用環境における安全上のリスクを認識する機会を設けることで、製品と使用者およびその環境とのミスマッチを避け、事故の未然防止を図っている。
●使用者との接点を活かした事故の未然・再発防止と製品改良への貢献
アセスメント販売による接点を通じて使用者から寄せられた転倒事故の情報を分析・整理し、自社ウェブサイトに掲載して周知することで未然および再発防止につなげるとともに、安全性に関わる使い勝手や不具合の情報を自転車メーカーにフィードバックし、製品改良や新たな製品開発に貢献している。
●自社イベントや自治体等での講演を通じた安全意識の啓発
自社で開催する自転車選びのレクチャー会において二輪、三輪に関わらず子ども乗せ自転車選びや使用時において注意すべきポイントを周知している。また、自治体等から依頼された講演において、正しいヘルメットの着用やメンテナンス、転倒防止などについて発信し、広く消費者の安全意識の向上につなげている。

設立 | 2000年 |
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代表者 | 社長 ジャスパー・チャン |
従業員数 | 約14,000名(2024年10月現在) |
所在地 | 東京都目黒区 |
事業内容 | インターネット等を利用した電子商取引事業、電子商取引サイトへの出品サービス業務、物流業務など |
URL | https://www.amazon.co.jp/ [外部リンク] |
受賞のポイント
●製品安全管理マネジメントシステムを基盤とした取組の高度化
新たに製品安全管理マネジメントシステムを導入し、消費者や販売事業者から寄せられた声に基づき製品安全に関する課題を多角的に検討する月例リスクレビューや、社内における製品安全に対する知識の標準化といった取組を行っている。
●消費者へのリコール通知などの改善
アンケート調査等を通じて消費者のリスク認知や行動、潜在懸念などを調査するチームを新設し、さまざまな情報を分析することで、ウェブサイトやアプリ上での目に留まりやすいリコール通知の仕組みづくりなどにつなげている。
●顧客に向けて製品安全の情報を伝える「あんしんメール」の継続と拡大
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)などの外部の関係機関と連携し、特定カテゴリーの商品を購入した顧客向けに安全な使用方法などに関する情報をメールで通知する「Amazon あんしんメール」を継続・拡大するとともに、同様の取組を米国・カナダ・ヨーロッパなどのストアでも展開している。
なお、オンラインモールのリーディング企業として、前回受賞(2021年)以降も新たな取組・改善を進めているが、大量で迅速な取引規模及びそうした取引の場を提供する立場として、法令違反品(疑義のあるものも含めて)が出品されないよう、より積極的な対応を期待したい。